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スズメバチの生態を考える

スズメバチ

スズメバチはその個体数が増えていないにもかかわらず、人間がスズメバチから受ける被害数は増加しているのが現状です。

被害増加の理由は都市開発などが主な原因なのですが、スズメバチへの適切な対応に関して知識が不足していることも原因です。

スズメバチの生態について知識を深めることでスズメバチの特性を理解できるようになります。

スズメバチの巣作りについて:巣作りの開始時期

スズメバチの巣を作り始める時期など、巣作りに関して知っておきましょう。

スズメバチが巣を作り始める時期

スズメバチの巣を作るのは女王蜂です。女王蜂は冬の間は冬眠しており、春になると巣作りを開始します。

女王蜂が冬眠から目覚めるのが5月頃だと言われており、その頃から巣作りが始まります。ちなみに巣を作る場所ですが、スズメバチの種類によって異なります。

家や屋根の軒下などが一般的なのですが、スズメバチの中でももっとも体が大きいオオスズメバチに関しては土の中に巣を作るのです。

最初が肝心

巣を作り始めて1か月頃は、巣の中にはまだ女王蜂と幼虫しかいないのです。そのためその時期は女王蜂一匹だけで幼虫を育てたり、巣を作ったりといったことをしなくてはいけません。

このタイミングでスズメバチの巣を発見した場合は、女王蜂しか成虫がいませんので、素人でも簡単に取り除くことができるのです。

しかもこの時期の女王蜂は巣が襲われたからと言って反撃してくることはなく、巣作りをあきらめて他の場所に巣を作りに行きます。

働きバチの始動

女王蜂が巣作りを始めてから幼虫が成長して、成虫になってきます。5月頃に始まった巣作りがピークを迎えるのが夏の8月から9月です。

働きバチの数がピークに

このころになると成虫の数も増えてきて、それらが働きバチとして今度は巣を作ったり、幼虫を育てたりといった仕事をこなすようになってくるのです。

働きバチのおかげで巣はどんどん大きくなり、成虫の数も増えていきます。スズメバチの種類や巣の大きさによっては、数千匹のスズメバチがいることもあるほどです。

ピークを迎えた後は

スズメバチによる被害が最も増えるのも、スズメバチの巣が最盛期を迎える8月から9月です。

しかも8月から9月は気温も高く、肌を露出する洋服をまとっているためなおさらスズメバチによる被害を受けやすくなるのです。

しかしピークを迎えた後のスズメバチの巣は次第に衰退していきます。10月に入ってくると新たな女王蜂とオスバチが増えて、繁殖するために巣を離れるようになると残ったハチは次第に死んでいくのです。巣を離れた女王蜂は次の春に備えて冬眠します。

コロニーの発展

スズメバチは他の種類のハチと比べると、社会性の高いハチの種類だと言えます。コロニーとは「群れ」や「生命体」を意味するのですが、スズメバチも集団で行動し、コロニーと呼ばれるひとつの大きな生命体を作っているのです。

女王蜂はコロニーをつくることが使命

冬眠から目覚めた女王蜂はそれ単体で巣作りと産卵を始めるのですが、それがコロニーの始まりになります。

まだ幼虫の段階では何もできませんので、女王蜂だけでコロニーを発展させるために巣を守ったり、子育てしたりするのです。

巣作りから幼虫の世話まで全てを単体でこなしますので、時には自分の身に危険が及ぶこともあるのです。さまざまな危険や苦労を重ねながら女王蜂はコロニーを作っていくのです。

コロニーがさらに発展

幼虫が次第に成虫になってくると、次第に女王蜂に変わって幼虫の世話や巣作りを担ってくれるようになります。

そのような環境が整ってくると、女王蜂は産卵だけに専念できるようになるのです。そしてその数をどんどん増やしていきコロニーを発展させていくのです。

そしてコロニーの中では次の女王蜂が誕生して、それらが成長すると巣を後にしていきます。

その頃、巣を作った女王蜂の寿命も近づき、巣に残った他のハチたちとともに死滅していき、そのコロニーは滅びるのです。