ハチにもいろいろな種類があり、人間に大きな危害を加えることがあります。中でもスズメバチといえば毒性が高く、人間が刺されると死ぬこともあるのです。
基本的にはスズメバチは林など緑豊かな場所にて生息しています。しかし市街地に巣を作ることもありますし、山歩きに出かけた時など誰でもスズメバチに刺される危険性は持ち合わせているのです。
スズメバチはどのように進化したのか、また他のハチとの違いなどについて詳しく見ていいきましょう。
ハチの進化とスズメバチ
ハチにもいくつかの種類があり、その種類によって性格や特徴などが異なります。スズメバチはどのようにして進化してきたのでしょうか。
狩りハチの仲間
スズメバチは狩りハチの仲間から進化したと言われています。狩りバチとは毒を注射することによって獲物を麻痺させてそれを巣に持ち帰ってエサとして食べるのです。
それまで狩りハチは集団行動ではなく単独行動が主流でした。そのため主に獲物を捕るために自分の毒を使っており、自らの身を守るために毒針を使うことがなかったのです。
しかし家族で生活するなど集団での生活を送るようになってから、仲間や自分たちの巣を守るために毒針が使われるようになりました。
スズメバチの広がり
スズメバチが誕生したのはユーラシア大陸だと言われています。その後北アメリカ、アフリカ大陸北部に広く分布するようになりました。
その後主に東南アジアを中心にその数を増やし、その種類も増やしていったのです。それまでオセアニアや南アメリカではあまり見られなかったスズメバチですが、人為的に持ちこまれたことでスズメバチの生息区域も広がってきています。
スズメバチと他のハチとの違い
スズメバチと他のハチとでは何が違うのか、それについて詳しくみていきましょう。
社会性が発達している
スズメバチ以外のハチも巣を作って集団生活をしていますが、スズメバチはミツバチと並んで特に社会性が発達していると言われています。
集団で行動するため、巣によっては数万匹ものハチを収容できる巣を作る種類があるほどです。
そして敵を見つけた時も、周りにいる仲間のハチを呼び寄せてその敵に集団攻撃を仕掛けるのです。
またアシナガバチのような種類と異なり、オスバチは基本的に働きませんし、女王蜂が産卵しているうちは他のメス蜂も産卵しないのです。
攻撃前に威嚇してくる
スズメバチは他の種類のハチと比べて攻撃性の高いハチですが、人間のほうから襲っておこない限り自分たちから攻撃を仕掛けてくることはありません。
そしてスズメバチは攻撃を仕掛ける前に威嚇してくるという特性を持っています。カチカチと歯を鳴らしているのは威嚇している証拠で、もしもこの場をすぐに立ち去らなければ攻撃を仕掛けるということを暗に示しているのです。
種類によって性格も異なる
スズメバチにもいろいろな種類があり、その種類によっても性格が異なります。スズメバチの中でも最も獰猛で危険性が高いのが、オオスズメバチになります。
性格も凶暴で昆虫界の捕食者という異名を持っているほどです。どの種類のハチよりも体が大きくて、毒性も最も高く非常に危険なのです。
まとめ
スズメバチは自然豊かな場所だけでなく、都会にも進出して巣を作ることがあります。本来はこちらが攻撃を仕掛けてこない限りは、スズメバチより攻撃してくることはないのですが、こちらが意図しなくてもスズメバチが攻撃を仕掛けたとみなすことも少なくありません。
たとえばスズメバチの巣の近くを通っただけでも、攻撃をしてきたと判断されることがあるのです。
スズメバチの特性や巣の特徴などについて理解しておく、スズメバチやその巣に遭遇してしまったときにどう対応するべきかを知っておくことによって、被害を防ぐことにつながります。